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多変数微分計算機:ステップごとの解き方ガイドと例題集

·11 min read·Solvify Team

多変数微分計算機を使うと、2 つ以上の変数をもつ関数について、偏微分・勾配ベクトル・方向微分・2 階のヘッセ行列を、x・y・z の各項を見失うことなく求められます。このガイドでは、そうしたツールがどのように動いているのかを、手計算で確かめられる完全な数値例とともに解説します。答えを写すだけで終わらせず、その裏にある微積分の考え方まで理解できます。

多変数微分計算機とは?

多変数微分計算機とは、f(x, y) や g(x, y, z) のように 2 つ以上の独立変数をもつ関数の微分を計算するツールです。1 変数の微積分では f′(x) という 1 つの導関数を求めますが、多変数関数では変数ごとに偏微分があり、さらに勾配ベクトル・方向微分・2 階微分をまとめたヘッセ行列といった量も現れます。計算機は、微分の対象となる変数以外をすべて定数として扱い、標準的な微分の公式を適用したうえで、各結果を個別に、あるいはベクトルや行列としてまとめて返します。

1. 変数を確認する

f(x, y) = x²y + 3xy² − y³ における x と y のように、関数に含まれる独立変数をすべて書き出します。

2. 求める微分の種類を選ぶ

1 つの偏微分だけが必要なのか、勾配全体・方向微分・ヘッセ行列が必要なのかを決めます。

3. 変数ごとに微分の公式を適用する

他の変数はすべて定数として扱い、必要に応じてべき乗の公式・積の公式・合成関数の公式を使って微分します。

多変数の微分は、1 変数の微分を 1 つずつ順番に適用しているだけです。

多変数微分計算機はどのように結果を求めるのか?

多変数微分計算機は、入力された式をまず記号的な木構造に解析し、そのうえで微分の公式を再帰的に適用します。x³ のような項にはべき乗の公式、xy² のような項には積の公式、sin(x²y) のような合成には合成関数の公式が使われます。指定された変数ごとに、それ以外の変数は微分中ずっと定数として扱われます。これは手計算とまったく同じ手順です。その後、計算機は得られた式を整理し、点が指定されていれば数値を代入して、最終的な数値やベクトルを返します。

1. 式を解析する

入力された関数を、加法・乗法・べき乗・合成といった演算の構造化された木に変換します。

2. 記号的に微分する

対象以外の変数を定数に保ったまま、べき乗・積・商・合成関数の公式を項ごとに適用します。

3. 整理して値を求める

同類項をまとめ、特定の点での値を求めたい場合は数値の座標を代入します。

偏微分:多変数微積分の土台

偏微分は、他の変数をすべて固定したまま 1 つの変数だけを動かしたときに、関数がどう変化するかを表します。f(x, y) では、x についての偏微分を ∂f/∂x、y についての偏微分を ∂f/∂y と書きます。計算のしかたは通常の微分とまったく同じで、対象の変数を含まない項は定数として扱われ、その微分は 0 になります。

1. 他の変数を固定する

∂f/∂x を求めるときは、y(および z があればそれも)を固定された数として扱います。

2. 項ごとに微分する

x を含む項にはべき乗の公式を適用し、x を含まない項は消えます。

3. 変数ごとに繰り返す

同じ手順で ∂f/∂y を求めます。今度は x を定数として扱います。

微分する対象の変数を含まない項は、その偏微分が 0 になります。

例題 1:f(x, y) = x²y + 3xy² − y³ の偏微分

関数 f(x, y) = x²y + 3xy² − y³ を考えます。∂f/∂x を求めるときは y を定数として、∂f/∂y を求めるときは x を定数として扱います。以下がステップごとの完全な計算です。

1. x について微分する

∂f/∂x:x²y の項は 2xy になります(指数 2 を前に下ろし、y は定数)。3xy² は 3y² になります(x の指数は 1)。−y³ は x を含まないので 0 になります。結果:∂f/∂x = 2xy + 3y²。

2. y について微分する

∂f/∂y:x²y は x² になります(y の指数は 1、x² は定数)。3xy² は 6xy になります(2 を前に下ろす)。−y³ は −3y² になります。結果:∂f/∂y = x² + 6xy − 3y²。

3. 数値の点で確かめる

(x, y) = (1, 1) のとき:∂f/∂x = 2(1)(1) + 3(1)² = 2 + 3 = 5。∂f/∂y = 1² + 6(1)(1) − 3(1)² = 1 + 6 − 3 = 4。どちらの値も上の整理された式と一致します。

勾配ベクトルとは?

関数 f(x, y) の勾配とは、ある点でその関数が最も急に増加する方向を指すベクトル ∇f = (∂f/∂x, ∂f/∂y) のことです。その大きさは、増加の急さを表します。3 変数の場合、勾配は ∇f = (∂f/∂x, ∂f/∂y, ∂f/∂z) に拡張されます。多変数微分計算機は、すべての偏微分を計算し、それらを 1 つのベクトルにまとめることで勾配を作ります。

1. 各偏微分を計算する

標準的な公式を使って ∂f/∂x、∂f/∂y(必要なら ∂f/∂z)を求めます。

2. ベクトルにまとめる

結果を順に並べて ∇f = (∂f/∂x, ∂f/∂y) と書きます。

3. 点で値を求める(任意)

特定の点の座標を代入すると、数値のベクトルが得られます。

勾配は常に、曲面の最も急な上り方向を指しています。

例題 2:ある点での勾配を求める

例題 1 と同じ関数 f(x, y) = x²y + 3xy² − y³ と、∂f/∂x = 2xy + 3y²、∂f/∂y = x² + 6xy − 3y² を使って、点 (2, 1) での勾配を求めます。

1. (2, 1) で ∂f/∂x の値を求める

∂f/∂x = 2(2)(1) + 3(1)² = 4 + 3 = 7。

2. (2, 1) で ∂f/∂y の値を求める

∂f/∂y = (2)² + 6(2)(1) − 3(1)² = 4 + 12 − 3 = 13。

3. 勾配ベクトルを書く

∇f(2, 1) = (7, 13)。これは、この点から見て関数が (7, 13) の方向に最も速く増加することを意味します。

方向微分と内積

方向微分は、x 軸や y 軸に沿った方向だけでなく、ある点における任意の指定方向への関数の変化率を表します。計算式は D_u f = ∇f · u で、u は目的の方向を指す単位ベクトルです。u は長さが 1 でなければならないため、方向ベクトルは内積を取る前にその大きさで割っておきます。

1. その点での勾配を求める

対象の点で ∇f = (∂f/∂x, ∂f/∂y) を計算します。

2. 方向ベクトルを正規化する

方向が (a, b) なら、その大きさ √(a² + b²) で割って単位ベクトル u を求めます。

3. 内積を計算する

D_u f = ∇f · u = (∂f/∂x)(u₁) + (∂f/∂y)(u₂)。

勾配そのものの方向への方向微分は勾配の大きさに等しく、それが増加率の最大値になります。

例題 3:指定された方向での方向微分

例題 2 の ∇f(2, 1) = (7, 13) を使って、ベクトル v = (3, 4) の方向における f の方向微分を求めます。

1. v を正規化する

|v| = √(3² + 4²) = √(9 + 16) = √25 = 5 なので、単位ベクトルは u = (3/5, 4/5) です。

2. 内積の公式を適用する

D_u f = ∇f · u = 7(3/5) + 13(4/5) = 21/5 + 52/5 = 73/5。

3. 小数に直して確かめる

73/5 = 14.6。|∇f| = √(7² + 13²) = √218 ≈ 14.76 であり、14.6 < 14.76 なので、結果は方向微分の最大値を正しく下回っています。

ヘッセ行列はどう作り、どう使うのか?

ヘッセ行列は、関数の 2 階偏微分をすべて正方行列にまとめたもので、臨界点が極小・極大・鞍点のいずれかを判定するために使われます。f(x, y) の場合、ヘッセ行列は H = [[f_xx, f_xy], [f_xy, f_yy]] です。∇f = (0, 0) となる臨界点を求めたあと、行列式 D = f_xx·f_yy − (f_xy)² を計算します。D > 0 かつ f_xx > 0 なら極小、D > 0 かつ f_xx < 0 なら極大、D < 0 なら鞍点です。

1. 臨界点を求める

∂f/∂x = 0 と ∂f/∂y = 0 とおいて連立させ、解きます。

2. 2 階偏微分を計算する

f_xx、f_yy、および混合偏微分 f_xy を求めます。

3. 行列式による判定を行う

D = f_xx·f_yy − (f_xy)² を計算し、符号の規則に従って点を分類します。

ヘッセ行列の行列式による判定は、1 変数の 2 階微分による判定を 2 次元以上に拡張したものです。

例題 4:ヘッセ行列で臨界点を分類する

g(x, y) = x² + y² − 4x − 6y + 13 を考えます。臨界点を求め、ヘッセ行列を使って分類しましょう。

1. 臨界点を求める

∂g/∂x = 2x − 4 = 0 → x = 2。∂g/∂y = 2y − 6 = 0 → y = 3。臨界点:(2, 3)。

2. ヘッセ行列を作る

g_xx = 2、g_yy = 2、g_xy = 0 なので H = [[2, 0], [0, 2]]。行列式 D = (2)(2) − 0² = 4。

3. 分類し、値を確かめる

D = 4 > 0 かつ g_xx = 2 > 0 なので、(2, 3) は極小点です。g(2, 3) = 4 + 9 − 8 − 18 + 13 = 0 となり、その点で最小値 0 をとることが確認できます。

多変数の微分が科学と工学で重要な理由

偏微分・勾配・ヘッセ行列は、ある量が複数の変数に依存するあらゆる場面で登場します。物理では、温度場や圧力場の勾配が最も急な増加の方向を指し、気象モデルはこれを使って熱の流れを追跡します。経済学では、利益関数の価格と数量についての偏微分から最適な生産水準が分かります。機械学習では、勾配降下法が損失関数の勾配ベクトルを繰り返し使ってモデルのパラメータを更新し、ヘッセ行列は最適化が鞍点ではなく本当の最小値に到達したかどうかを教えてくれます。

1. 物理と工学

勾配は、複数の次元にわたる熱の流れ、電場、流体の速度を記述します。

2. 経済学と最適化

偏微分によって、複数の変数を同時に考えながら利益の最大点やコストの最小点を見つけられます。

3. 機械学習

勾配降下法や 2 階の最適化手法は、モデルの学習に勾配とヘッセ行列を直接利用します。

よくあるミスとその対策

最も多いミスは、他の変数を定数として扱うのを忘れ、本来なら消えるはずの項まで微分してしまうことです。2 つ目によくあるのは、混合偏微分で変数の順序を取り違えること、たとえば ∂²f/∂y∂x のつもりで ∂²f/∂x∂y を計算してしまうケースです。滑らかな関数ではこれらは等しくなりますが、途中の符号ミスは起こりがちです。3 つ目は、方向微分を計算する前に方向ベクトルを正規化し忘れることで、この場合は元のベクトルの長さの分だけ結果が誤ってスケーリングされます。

1. どの変数が定数かを必ず確認する

微分する前に、対象の変数に下線を引き、それ以外の記号はすべて固定された数として扱いましょう。

2. 混合偏微分が一致するか確かめる

ここで扱う多くの関数では ∂²f/∂x∂y と ∂²f/∂y∂x は一致するはずです。これを検算として活用しましょう。

3. 方向ベクトルは必ず正規化する

方向微分では、勾配との内積を取る前に大きさで割っておきます。

多変数の微分をすぐにサポート

偏微分・勾配・方向微分・ヘッセ行列を手を動かして解くことは本当の理解につながりますが、答え合わせも解くことと同じくらい大切です。Solvify の AI ツールなら、多変数微積分の問題をスキャンして微分の各ステップを表示し、納得できるまで追加の質問ができます。

1. 関数を撮影するか入力する

取り組んでいる多変数関数を入力するか、写真を撮ります。

2. ステップごとの解答を確認する

各偏微分、勾配、分類の手順まで、分かりやすく整理された形で確認できます。

3. 追加の質問をする

AI チューターを使って、混合偏微分が一致する理由やヘッセ行列による判定の仕組みなど、気になるステップを掘り下げましょう。

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